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B
釣りに関するBBがもう一つあった。
ブラディー・ブッチャー(Bloody Butcher)。
日本語では〈血だらけの屠殺人〉という有名な、古典的なウエット・フライ。
名前の通りよく釣れる。
ただし、これが何の虫に似てるかという方向で考えると袋小路にはまる。
アイビスの赤いテール、シルバーティンセルのボディ、血染め色のハックル、そしてマガモの脇腹に一、二枚ある濃紺に光るフェザーで作ったウイング。
ウイングの色からするとウリハムシかセンチコガネなどの甲虫類を想像させるが何にも似ていない。
赤いハックルやテールは釣人を屠殺人の気分にさせるためだけに役立つ。
こうしたフライは長い年月、たくさんの釣人に使われ、数え切れないほどの魚を掛けてきた。その実績ゆえに生き残ってきたものだ。
たくさんの戦いで磨きぬかれ、必要最小限のものが残され、釣人の胸にも突き刺さるように美しく洗練された。
減水時期のアトランティック・サーモン釣りで、他のどのフライも駄目な時にはこの小さなフライを試してみろ、とイギリスの釣りの本に書いてあった。
実は日本の川でも同じことが言える。あまり公表はしたくないけれど。
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